「ヨーロッパで働いてみたい」「留学のあと現地でキャリアを築きたい」――そんな夢を持つ方にとって、最初の大きな壁になるのが就労ビザ。
国ごとに条件がバラバラで複雑に感じますよね。
そこで注目されているのが、**EUブルーカード(EU Blue Card)**です。
アメリカのグリーンカードに例えられることもあるこの制度は、高いスキルや専門性を持つ外国人がヨーロッパで働きやすくなる特別な滞在許可。
本記事では、EUブルーカードの基本情報・申請条件・メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
さらに、ドイツやフランスなど主要国の条件も比較しながら、ヨーロッパ就職を目指す人に役立つ情報をまとめました。
※本記事にはアフェリエイトを含みます
EUブルーカードの基本情報
どんな人が対象?
EUブルーカード(EU Blue Card)は、高いスキルや専門的な知識を持つ非EU国籍の人が、ヨーロッパで合法的に働き・滞在できるようにする制度です。
簡単に言うと、「EU版のグリーンカード(就労滞在許可)」のようなもの。
対象となるのは、次のような人たちです:
- 大学卒業レベルの学位を持つ人(またはそれに相当する職務経験を持つ人)
- EU加盟国の企業と雇用契約を結んでいる人
- 一定以上の年収が保証されている人(国や職種によって基準が異なる)
この制度は、ヨーロッパ全体で優秀な外国人材を受け入れるために作られた仕組みで、特にIT・医療・エンジニアリングなどの分野で需要が高いです。
有効期限
EUブルーカードの有効期間は、発行国によって異なりますが通常1〜4年です。
多くの国では「雇用契約+3ヶ月分」や「最長4年」などの形で設定され、契約が続く限り更新が可能です。
例:
- ドイツ → 最大4年間(契約が短い場合は契約期間+3ヶ月)
- フランス → 通常1〜4年、更新可能
- オランダ → 雇用期間に応じて発行
また、一定期間(例:18か月)ブルーカードで滞在した後は、他のEU加盟国へ移住して就労ビザを申請することも可能です。
これは、他の就労ビザにはない大きな特徴で、「EU内でのキャリアの自由度」が高い点が魅力です。
発行国と見導入国
EUブルーカードは、EU加盟国のほとんどで導入されていますが、すべてではありません。
2025年時点での状況は以下の通りです:
✅ 発行している主な国
- ドイツ 🇩🇪
- フランス 🇫🇷
- オランダ 🇳🇱
- ベルギー 🇧🇪
- イタリア 🇮🇹
- スペイン 🇪🇸
- ポルトガル 🇵🇹
- オーストリア 🇦🇹
- チェコ 🇨🇿
- ポーランド 🇵🇱 など
❌ 未導入国(対象外)
- アイルランド 🇮🇪
- デンマーク 🇩🇰
これら2か国はEU加盟国ですが、独自の移民・労働政策を持っているため、EUブルーカード制度には参加していません。
ただし、これらの国でもそれぞれ独自の就労ビザ制度があるため、希望する場合は別ルートでの申請が可能です。
- EUブルーカードは「EU内で働きたい高スキル外国人」向けの滞在許可
- 有効期間は通常1〜4年、更新・他国移動も可能
- ほぼ全てのEU加盟国で利用できるが、アイルランドとデンマークは除外
申請条件と必要なもの
EUブルーカードを取得するには、学歴・雇用契約・給与水準など、いくつかの条件を満たす必要があります。
国によって細かな違いはありますが、基本的な要件は共通しています。
学歴・職務経験
申請者は、以下のいずれかを満たしていることが条件です。
- 大学卒業レベル(Bachelor以上)の学位を持っている
- または、**学位と同等とみなされる専門職経験(5年以上など)**を証明できる
特にITエンジニア、医療、建築、研究などの専門職は、職歴でも認められるケースが多いです。
📌 ポイント
学位証明書は英語または現地言語に翻訳し、公的認証(アポスティーユ)が必要な場合があります。
EUブルーカードは大学卒業レベルの学位が基本条件。
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雇用契約(ジョブオファー)
EUブルーカードは**「就職が決まってから申請」するタイプのビザです。
そのため、申請時には雇用契約書または内定証明書**の提出が求められます。
契約書には次のような内容が含まれている必要があります:
- 雇用主(企業名・所在地)
- 契約期間(フルタイム/有期・無期)
- 給与額(年収・月収)
- 職務内容
企業からの正式なオファーがないと申請できないため、まずは求人探しが最初のステップです。
給与基準(年収ライン)
EUブルーカードでは、最低年収要件が国ごとに定められています。
この基準を下回ると申請が認められません。
例(2025年時点の目安):
国名 | 年収要件(おおよそ) | 備考 |
---|---|---|
🇩🇪 ドイツ | 約 €45,300(IT職は€39,700程度) | 専門職は優遇あり |
🇫🇷 フランス | 約 €53,800 | 職種問わず一律 |
🇳🇱 オランダ | 約 €60,000 | 経験により変動 |
🇵🇹 ポルトガル | 約 €28,000 | 比較的取得しやすい |
🇪🇸 スペイン | 約 €33,900 | 物価水準により低め設定 |
💬 年収は国の平均給与水準に連動しており、「現地平均の1.5倍以上」が目安です。
不足職種(IT・医療・研究など)は基準が少し緩くなる傾向があります。
その他必要書類
国によって異なりますが、一般的に以下の書類が求められます。
- 有効なパスポート
- 雇用契約書または内定証明書
- 学位証明書・職務経歴証明書
- 健康保険加入証明書(現地または民間保険)
- 住居証明(現地住所・賃貸契約書など)
- 申請書類+申請料支払い証明
メリット
EUブルーカードは、ただの就労ビザではなく、**ヨーロッパで安定したキャリアを築きたい人にとっての“特別なパス”**です。
ここでは、取得によって得られる主なメリットを紹介します。
1. 高スキル外国人に優遇された制度
EUブルーカードは、専門スキルや学位を持つ人のために設計された制度です。
一般的な就労ビザよりも審査がスムーズで、許可期間も長めに設定されています。
特にITエンジニアや医療従事者、研究者、建築家などの分野では、ブルーカード保持者の受け入れを積極的に行う企業が多く、現地でのキャリア形成に有利です。
2. 家族帯同がしやすい
ブルーカードの魅力の一つは、家族を簡単に帯同できる点です。
配偶者や子どもは同時にビザを申請でき、配偶者が現地で働くことも可能な国が多いです。
これは、アメリカの就労ビザなどでは制限されることが多いため、ヨーロッパを選ぶ大きなメリットになります。
3. EU内での移動・転職がしやすい
18か月以上ブルーカードを保持していれば、他のEU加盟国へ移動して働くことが可能です。
つまり、ドイツで働いた後にフランスやオランダに移ることもできます。
EU全体がひとつの経済圏として機能しているため、キャリアの幅を広げながら働けるのが大きな強みです。
4. 永住権へのステップになる
ブルーカードを数年間保持して働き続けると、長期滞在許可や永住権の申請資格を得られる国もあります。
たとえばドイツでは、**33か月(またはB1レベルのドイツ語力で21か月)**で永住申請が可能です。
ヨーロッパでの生活基盤を築きたい人にとっては、安定的な滞在への最短ルートといえます。
5. 労働条件・社会保障が安定している
ブルーカード保持者は、現地労働者とほぼ同じ権利を持ちます。
最低賃金や労働時間のルール、社会保険などがしっかり保護されており、安心して働ける環境が整っています。
EUブルーカードの申請や現地での就職活動では、英語での面接・コミュニケーション力が重要です。
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デメリット・注意点
EUブルーカードは魅力的な制度ですが、実際に申請するとなるといくつかのハードルや注意点もあります。
ここでは、申請前に知っておきたい現実的なポイントを紹介します。
1. 年収要件が高めに設定されている
EUブルーカードの最大の壁が、国ごとに定められた最低年収ラインです。
多くの国では「現地平均の1.5倍以上」の給与が求められ、若手や新卒レベルでは届かないこともあります。
ただし、IT・医療・研究などの不足職種では条件が緩和されるケースもあるため、
「需要の高い専門職を目指す」戦略が有効です。
2. 雇用契約が必須
EUブルーカードは、**「採用が決まってから申請できるビザ」**です。
そのため、まずは雇用契約(ジョブオファー)を獲得する必要があります。
現地での面接や英語面接に備え、早い段階から履歴書(CV)やカバーレターの準備をしておくと安心です。
日本にいながら海外就職支援サービスを利用するのもおすすめです。
3. 国ごとに申請条件や手続きが異なる
EUブルーカードはEU共通の制度ですが、実際の条件・必要書類・手続き方法は国によって異なります。
たとえば:
- ドイツ:申請手続きがオンライン中心で比較的スムーズ
- フランス:審査期間が長く、書類認証が厳しい
- オランダ:英語対応が進んでいるが、居住要件が多い
申請前に各国の大使館・移民局の最新情報を確認することが大切です。
4. 申請から取得まで時間がかかる
書類の準備(翻訳やアポスティーユ認証など)に数週間〜数か月かかる場合があります。
また、国によっては面接や審査に追加の時間が必要なことも。
👉 計画的に申請スケジュールを立てることが成功のポイントです。
5. 全てのEU加盟国が対象ではない
EUブルーカード制度を導入していない国もあります。
たとえばアイルランドとデンマークは独自の就労ビザ制度を採用しており、ブルーカード対象外です。
そのため、希望する国が対象かどうか事前確認を忘れずに行いましょう。
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主要国の条件比較表
国名 | 年収要件(目安)* | 有効期間 | 家族帯同 | 永住権への道 | メモ |
---|---|---|---|---|---|
🇩🇪 ドイツ | 国の基準に準拠(不足職種は低め) | 最長4年(契約+3か月)更新可 | 帯同可/配偶者就労可 | 就労継続で長期滞在可(例:一定条件で早期可) | 英語求人多め。IT・工学に強い |
🇫🇷 フランス | 国の基準に準拠 | 1〜4年 更新可 | 帯同可 | 就労年数に応じて申請可 | 書類認証が厳格な傾向 |
🇳🇱 オランダ | 国の基準に準拠 | 契約期間に応じ発行/更新可 | 帯同可 | 一定年数で長期滞在へ | 英語対応が手厚い |
🇪🇸 スペイン | 国の基準に準拠 | 1〜3年 目安/更新可 | 帯同可 | 就労継続で申請可 | スペイン語需要が高い |
🇵🇹 ポルトガル | 国の基準に準拠(比較的低め) | 1〜2年 目安/更新可 | 帯同可 | 一定年数で長期滞在へ | スタート地点に選ばれやすい |
🇮🇹 イタリア | 国の基準に準拠 | 1〜2年 目安/更新可 | 帯同可 | 就労年数に応じて申請可 | 審査期間が長めのことも |
🇧🇪 ベルギー | 国の基準に準拠 | 2〜4年 目安/更新可 | 帯同可 | 一定年数で長期滞在へ | EU機関関連の求人も |
🇦🇹 オーストリア | 国の基準に準拠 | 1〜2年 目安/更新可 | 帯同可 | 就労継続で申請可 | ドイツ語案件が中心 |
🇵🇱 ポーランド | 国の基準に準拠 | 1〜3年 目安/更新可 | 帯同可 | 一定年数で長期滞在へ | 製造・ITの外資進出多い |
🇨🇿 チェコ | 国の基準に準拠 | 1〜2年 目安/更新可 | 帯同可 | 就労年数に応じて申請可 | IT・製造・Shared Serviceに求人 |
* 年収要件は毎年更新・職種によって例外あり。最新情報は各国の大使館・移民局ページをご確認ください。
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EUブルーカードが向いてる人
EUブルーカードは、ヨーロッパで長期的にキャリアを築きたい人にとって理想的な制度です。
ただし、すべての人に合うわけではありません。ここでは、特に向いているタイプを紹介します。
1. 専門スキルを持ち、海外でキャリアアップしたい人
IT、エンジニア、医療、研究、建築など、専門職で経験を積んできた人には最適です。
これらの分野ではEU各国で人材不足が続いており、ブルーカード保持者の受け入れが進んでいます。
🔹「日本での経験を活かして海外で働きたい」
🔹「グローバルな環境でスキルを磨きたい」
そんな人にぴったりの制度です。
2. 海外大学を卒業してヨーロッパで働きたい人
EUブルーカードの申請には大学卒業レベルの学位が必要。
そのため、海外留学を経てEU圏でそのまま就職したい人には最適なルートです。
学生ビザからの切り替えもスムーズな国が多く、
**「留学 → 就職 → 永住」**の流れを目指す人におすすめです。
3. 英語または現地語でのコミュニケーションに自信がある人
EU各国の職場では英語・ドイツ語・フランス語など、多言語環境が当たり前。
そのため、語学力がある人は就職活動・面接・職場でのやり取りがスムーズに進みます。
EUブルーカードの申請や現地就職では、英語での面接・コミュニケーション力が求められます。
独学で伸び悩んでいる人は、専属コーチがつく英語コーチングサービスを活用するのがおすすめです。
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4. 家族でヨーロッパ移住を考えている人
EUブルーカードは家族帯同がしやすく、配偶者の就労も可能な国が多いのが特徴。
子どもの教育環境や治安の良さもあり、家族で安心して暮らせる点が大きな魅力です。
5. 長期的にヨーロッパに定住したい人
数年の就労を経て、永住権を取得できる道が開かれているのもEUブルーカードの強みです。
一つの国だけでなく、将来的には他のEU加盟国で働くチャンスも広がります。
🌟 「ヨーロッパを拠点に自由に働きたい」
そんなグローバル志向の人には、まさに理想的なビザです。
EUブルーカードの申請や現地面接のためにヨーロッパへ渡航するなら、海外対応eSIMを事前に準備しておくと安心です。
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まとめ
EUブルーカードでヨーロッパ就職を現実に
EUブルーカードは、ヨーロッパで長期的にキャリアを築きたい人にとって最も有力なビザの一つです。
高いスキルや専門知識を持つ人ほどチャンスが広がり、家族帯同や永住への道も開かれています。
とはいえ、申請には「学歴・雇用契約・給与基準・語学力」など、いくつかのハードルがあります。
でも、それらは早めに準備を始めることで一つずつ乗り越えられます。
🌍 海外で自分の力を試したい。
✈️ ヨーロッパでキャリアアップしたい。
そんな人にこそ、EUブルーカードは理想的な選択肢です。

海外生活ブロガー/30カ国以上を旅した経験者
高校時代に初めてカナダに語学留学をして海外に魅力される。現在は年のほとんどを海外で過ごす生活を継続中。アメリカ、オーストラリア、アジア、ヨーロッパなど30カ国以上を渡航。
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